退職金制度特集

企業型確定拠出年金(企業型DC)の概要とメリット・デメリット

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確定拠出年金(401K)には、「個人型」の「iDeCo/イデコ」(個人型確定拠出年金)以外に「企業型」の「企業型確定拠出年金」(企業型DC)があります。

その「企業型確定拠出年金」(企業型DC)は、比較的大企業での導入が増えていますが、税制優遇などさまざまなメリットがあります。

ただし、原則、60歳まで運用資産を引き出せない点がネックですが、この点も他の制度と併用するという手立てもあります。
(参考記事:はぐくみ基金にはどのようなメリットがあるのか?

この記事では、企業型確定拠出年金(企業型DC)について、概要やメリット・デメリットを紹介します。

企業型確定拠出年金(企業型DC)の概要

企業型確定拠出年金(企業型DC)とは、毎月積み立てる掛金を企業が拠出し、従業員など加入者自身が資金を運用していく年金制度です。

従業員など加入者は、掛金をもとに運用商品を選んで資産運用を行い、定年退職に差し掛かる60歳以降に、積み立てた年金資産を「一時金」(退職金)又は「年金」のどちらかで受け取ることができるようになります。

なお、原則60歳以降にならないと、積み立てた年金資産を受け取ることができませんのでご注意ください。

企業型確定拠出年金(企業型DC)の加入条件

企業型確定拠出年金(企業型DC)に加入できるのは、下記の条件を満たしている場合になります。
また、会社や企業側としては、誰を制度の加入対象者にするかを決めておく必要があり、多くの会社や企業では、就業規則などに定めているのが一般的です。
なお、「選択制企業型確定拠出年金」を導入する場合には、加入するかどうかは従業員の意思で選択することができます。

  • 年齢が原則70歳未満である(2022年6月現在)
  • 所属している企業の従業員である
  • 所属している企業が企業型確定拠出年金(企業型DC)を導入している
  • 厚生年金被保険者である

「選択制」企業型確定拠出年金とは?

企業型確定拠出年金(企業型DC)は、従業員全員が加入対象になりますが、従業員が加入するかどうかを従業員の意思で選択することができる「選択制」という制度があります(これを選択制企業型確定拠出年金といいます)。

選択制確定拠出年金は、会社や企業が給与の一部を減額するという仕組みをとることになりますが、従業員はこの分を選択制企業型確定拠出年金の掛金にしたり、あるいはそのまま給与として受け取るといった選択肢を選ぶことができます。

企業型確定拠出年金(企業型DC)の掛金について

企業型確定拠出年金(企業型DC)の掛金は月額55,000円が限度額となり、確定給付企業年金や厚生年金基金など、ほかの企業年金と併用する場合は月額27,500円が限度額になります。
なお、会社や企業が掛金を拠出するため、事業主掛金という種別になります。

併用の内訳 掛金限度額
企業型DCのみの場合 月額55,000円
(年額660,000円)
企業型DC+ 退職一時金の場合
企業型DC+ 中小企業退職金共済(中退共)の場合
企業型DC+ 確定給付企業年金(DB)の場合 月額27,500円
(年額330,000円)
企業型DC+ 厚生年金基金の場合

マッチング拠出について

企業型確定拠出年金(企業型DC)では、会社や企業が拠出する掛金(事業主掛金)に加えて、従業員など加入者が掛金を一部上乗せして拠出することができます。この仕組みを「マッチング拠出」といいます。

なお、加入者が拠出する掛金は全額所得控除の対象になりますが、追加拠出分は事業主掛金の金額以上にはできないなどの制限があります。

企業型確定拠出年金(企業型DC)の運用

企業型確定拠出年金(企業型DC)の運用は、従業員など加入者自身が行います。

投資信託や保険商品といった運用商品を選んで加入者自身が資産を運用していきますが、その運用の結果次第で、将来の受け取り額が変わっていきます。

定期的な運用商品の見直しや、資産運用の知識及び投資教育が必要になってきます。

企業型確定拠出年金(企業型DC)の受取方法と種類

企業型確定拠出年金(企業型DC)の受け取りは、60歳を過ぎてから一括または分割のどちらかで受け取ることができるようになります。また、原則として60歳になるまで受け取ることはできません。

一括で受け取る場合は、「一時金」として一括で受け取り、分割で受け取る場合は、「年金」として受け取ることができます。
なお、会社や企業のなかには、「一時金と年金を併用」という選択肢を設けている場合もあります。

一時金として一括で受け取る

原則60歳以降70歳までの間に、一時金として一括で受け取ることができます(2022年3月現在)。
また、退職所得控除の対象になりますが、退職所得控除後の課税所得金額が所得税の課税対象になります。
控除額は勤続年数によっても変わります。

年金として受け取る

年金で受け取る場合は、 原則60歳以降に、5年から20年の間に受け取ることができます。
公的年金と同様に雑所得扱いとなり、公的年金等控除の対象になります。

一時金と年金を組み合わせて受け取る

会社や企業のなかには、「一時金と年金の併用」ができる場合があります。
例えば、「一時金」として受け取りつつ、退職所得控除の適用外分を「年金」として受け取ることも可能になる場合もあります。

企業や事業主にとってのメリット

企業や事業主から見たメリットは次のようになります。

メリット1:事業主掛金を全額損金扱いにできる

会社や企業が毎月拠出する掛金は事業主掛金となり、法人税法上、全額損金扱いにすることができます。

メリット2:運用により積立金が目減りしてしまっても、会社の補てんは不要

企業型確定拠出年金(企業型DC)を採用した場合、将来の退職金給付額は従業員など加入者自身の運用成績次第になりますが、運用によって積立金を下回ったとしても、その分を会社や企業が補てんする債務は発生しません。

加入者にとってのメリット

従業員を含めた、加入者にとってのメリットは次のようになります。

メリット1:掛金には税金がかかりません

事業主掛金(会社として拠出された掛金)は、個人の所得扱いにならず税金がかかりません。
また、従業員など加入者が掛金に上乗せして拠出できる「マッチング拠出」については、課税の際に全額所得控除の対象になります。

メリット2:運用益についても税金がかかりません

運用によって利益が発生した場合、全額非課税の対象になります。
通常、株式や投資信託などの金融商品で運用益が発生すると約20%課税されますが、この分に税金がかからなくなります。

メリット3:受け取り時に税制が優遇されます

運用してきた積み立て金や資産は、60歳以降に「年金」や「一時金」で受け取ることができるようになりますが、受け取りの際、どちらのケースについても税制優遇が適用されます。

年金として受け取る場合は雑所得として「公的年金等控除」が適用され、一時金として受け取る場合は退職所得として「退職所得控除」が適用されます。

メリット4:経営者や役員も加入できます

従業員のみが加入対象となっている制度もありますが、企業型確定拠出年金(企業型DC)については、経営者や役員も加入することができます。

企業型確定拠出年金(企業型DC)のデメリット

企業や事業主から見たデメリットや加入者から見たデメリットは、次の通りです。

デメリット1:積み立てた資産は60歳まで引き出すことができません

企業型確定拠出年金(企業型DC)は、原則60歳まで運用資産を引き出すことができません。
どうしても引き出す必要がある場合については、一定の要件を満たすことが必要になります。

デメリット2:運用次第では元本割れや資産目減りのリスクが発生する

企業型確定拠出年金(企業型DC)は、投資信託や保険、定期預金などで運用することになります。
例えば投資信託など、元本変動型の運用商品を選んだ場合、運用後の価格変動によって元本割れを起こしてしまうリスクが発生します。

定期預金や保険のように元本確保型の商品を選んだ場合、元本割れのリスクを減らすことができますが、現在のような低金利の状況が変わらない限り、資産を増やすことは難しくなりそうです。

他の制度や選択肢は? おすすめ退職金制度のご案内

こちらの記事で、企業型確定拠出年金(企業型DC)以外の選択候補となる、おすすめの退職金制度を紹介しています。合わせてご確認ください。

おすすめは「はぐくみ基金」

はぐくみ基金は、現在、導入企業や加入者が急増している注目の退職金制度です。
従業員だけでなく、経営者にも会社にもメリットが生れるとてもおすすめの制度です。

まとめ記事で11の選択肢を紹介

こちらのまとめ記事で、退職金制度の選択肢を11件まとめて紹介しています。
他の制度のメリットやデメリットを体系的に比較・検討することができます。

※こちらの記事は2022年6月29日時点の情報を参照の上、執筆しております。
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