はぐくみ基金には具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。
このページでは、会社や事業所から見たメリットと加入者から見たメリットに分けてご紹介します。さらに、デメリットについても合わせてご確認ください。
※この記事は2023年3月に更新しております。
会社や事業所から見たメリット
メリット①:掛金の実質的な負担を抑えることができます
毎月の掛金の支払いについて、他の多くの制度では会社や事業所が掛金を負担しますが、はぐくみ基金の場合、会社や事業所側の実質的な負担を抑えることができます。
はぐくみ基金を導入する際、「前払い退職金制度」という仕組みを設計しますが、現在の給与を減額することにより、この分(前払い退職金の対象)を掛金の原資に充てるためになります。
また、ここで減額した給与と同額の「選択給」を合わせて設計しますが、加入者(従業員や経営層の方)はこの選択給の一部を掛金にしたり、残りを給与の受け取りにしたりといったことを選択できるようになります。
この仕組みや制度を「選択制確定給付企業年金」ともいいます。
そのため、会社や事業所の実質的な負担を抑えることができ、従業員など加入者(従業員や経営層の方)は税金などの負担を抑えながら、退職金の積み立てを行うことができます。
もちろん、従業員など加入対象者は、はぐくみ基金に加入しないという選択も可能で、その場合、選択給分をそのまま給与として受け取ることになり、これまで通りと全く変わりません。
※はぐくみ基金そのものが掛金の実質的な負担を抑えるものではありません。
※会社からの掛金(事業主掛金)の追加拠出も可能です。
メリット②:法定福利費の軽減に繋がります
メリット①で紹介した「前払い退職金」及び「選択制確定給付企業年金」という制度設計によって、法定福利費の軽減に繋がることにもなります。
例えば、社会保険料は労使折半となりますが、加入者(従業員など)が負担する費用が軽減されると、同時に会社や事業所が負担する費用の軽減にもつながるものになります。
※はぐくみ基金そのものが法定福利費の負担を軽減させるものではありません。
メリット③:「加入者向けのメリット」が好評で、他の制度よりも高い加入率になっています
はぐくみ基金は、掛金の元本が保証されたり、高齢期の資産形成のための制度とはいえ退職時にも受け取れたり、運用面での煩わさが少ないといった点がとくに好評で、平均加入率は65.2%となっています(2022年4月現在)。
この数値は、任意加入の制度のなかではとても高い数値になりますが(株式会社ベター・プレイス調査による/詳しくはベター・プレイス社にお問い合わせください)、加入者が多いほど会社や事業所にとっての副次的な効果も大きくなります。
加入者から見たメリットの詳細は次項をご確認ください。
メリット④:中小企業ももちろん導入可能です
はぐくみ基金は原則、厚生年金適用事業所であれば、中小企業や比較的規模の小さい会社及び事業所でも導入が可能です。
ただし、一定の条件を満たす必要がありますので、詳しくは導入要件についてのページをご確認ください。
メリット⑤:採用力の強化や離職の防止(離職率の改善)に貢献
とくに、優秀な人材の獲得や魅力的な人材の獲得を目指そうとする場合、「退職金制度」や「福利厚生制度」がネックになって、採用を辞退されるケースが発生するかもしれません。
さらに、これらが充実していることで、求人の応募数も増える可能性もあるかもしれません。
また、ある施設では、はぐくみ基金の導入後の離職率が約4.5ポイントも改善されたという事例もあります(株式会社ベター・プレイス調べ)。
メリット⑥:業界や業種についても問いません
福祉や保育、医療以外の業界や業種、会社や法人もはぐくみ基金を導入することができます。
また、多くの団体により推奨基金にもなっています。
詳しくは、導入要件についてのページをご確認ください。
主な導入企業
主な推奨団体
メリット⑦:厚生労働大臣の認可を受けて設立された企業年金制度
はぐくみ基金は厚生労働大臣の認可を受けて設立された企業年金制度で、「確定給付企業年金(DB)」に分類される制度になります。
なお、確定給付企業年金(DB)は、2021年度末時点で約930万人が加入するなど、さまざまな年金制度のなかで利用実績の多い制度です(厚生労働省の資料より)。
※厚生労働大臣認可番号:関基第 016408号
メリット⑧:従業員向けの説明会や導入サポートもたいへん好評です
はぐくみ基金の導入のご相談から実際の導入・加入までの工程については株式会社ベター・プレイスが担当しますが、従業員(加入対象者)への説明会や導入サポートについても好評で、専門のチームがきちんとフォローします。
※はぐくみ基金事務局は給付手続きなど事務局の運営業務に特化しており、導入のコンサルティングやサポートについては、株式会社ベター・プレイスが担当しております。
加入者から見たメリット
メリット①:元本が保証されます
はぐくみ基金への加入者の元本は保証されます。
また、はぐくみ基金は確定給付企業年金に分類される企業年金・退職金制度でもあるため、元本割れや積み立て不足が極めて発生にしくい仕組みとなっています。
とくに資産運用は、安全性が高い生保一般勘定などを中心に「資産保全性の高いポートフォリオ」で、「複数の国内大手生命保険会社など」が担当し、さらに積立不足が発生しにくい「キャッシュバランスプラン」という仕組みによってリスクを限りなく小さくしております。
※キャッシュバランスプランとは、給付額が国債等の利回りによって決定される制度で、積立不足が発生しにくいのが特徴です。
メリット②:掛金の変更ももちろん可能です
はぐくみ基金の掛金の変更は、会社や事業所ごとに原則として年に2回、設定や変更が可能です。
また、掛金は1,000円単位で選ぶことができ、最大で給与の20%まで(上限は100万円)設定できます。
なお、ほかの一部の制度のように掛金の変更(とくに掛金の減額)がしにくいといった制限もありません。
メリット③:高齢期の資産形成が基本ですが、退職時などにも受給できます
はぐくみ基金は高齢期の資産形成のための制度ですが、退職時にも給付を受け取れます。
そのほか、休職された場合や育児・介護休業時にも受給可能です。
また、はぐくみ基金の場合、加入期間が1ヶ月以上であれば、積立額の全額を受け取ることができます。
※共済や保険などの制度では、運用年数が短い場合、掛け金総額よりも給付額が下回ってしまうケースがあります。また、確定拠出年金(企業型DCやiDeCo)の場合、受け取りは60歳以降に制限されています。
メリット④:税金などの負担を抑えながら資産づくりができます(加入自体は任意です)
はぐくみ基金に加入するかどうかは従業員など加入対象者が任意で選べますが、「会社や事業所から見たメリット」でも紹介したとおり、「選択制」などの制度設計によって、税金の負担(一部、社会保険料についても)を抑えながら退職金の資産づくりを行うことができます。
※はぐくみ基金そのものが税金や社会保険料などの負担を軽減させるものではありません。
メリット⑤:非正規雇用者も加入できます(要厚生年金加入)
はぐくみ基金の加入対象者は厚生年金被保険者になります。
厚生年金被保険者であれば、パートやアルバイト雇用など、雇用形態を問わず制度に加入することができます。
なお、年齢上の加入制限は70歳未満となります。
※従業員など加入を検討されている方は、勤務先にはぐくみ基金を導入していることが前提条件になりますのでご注意ください。その上で加入をご希望される場合は、勤務先の部署やご担当者などにご相談ください。
メリット⑥:資産運用は大手生命保険会社などが担当
はぐくみ基金の場合、複数の国内大手生命保険会社などが資産運用を行っています。
例えば、確定拠出年金(企業型DCやiDeCo)に比べて、加入者自身が運用面で煩わされることが少ない制度です。
メリット⑦:他の制度と併用できます
はぐくみ基金は、iDeCo/イデコ(個人型確定拠出年金)や企業型確定拠出年金(企業型DC)、中小企業退職金共済制度(中退共)などとの併用が可能です。
メリット⑧:受け取り時に税制が優遇されます
はぐくみ基金は、退職金として受け取る場合、一時金(退職所得)としての受け取りとなり、「退職所得控除」が適用されます。
また、休職・休業時に受け取る場合も、一時金(一時所得)としての扱いになり、50万円まで非課税で受け取ることができます。
一方、加入期間が20年以上になると年金として受け取ることができ、その場合、雑所得として「公的年金等控除」が適用されます。
メリット⑨:経営者や役員も加入できます
はぐくみ基金の加入対象者は厚生年金被保険者になります。
厚生年金被保険者であれば、経営者や役員層の方もはぐくみ基金に加入することができます。
シミュレーションのご案内
実際に、はぐくみ基金に加入した場合の積み立て効果についてシミュレーションすることができます。お気軽にお試しください。
デメリット
デメリット①:社会保障給付(社会保険からの給付)が少なくなる可能性がある
「加入者のメリット」として、税金や一部、社会保険料の負担軽減を挙げましたが、仮に毎月納める社会保険料が低くなると、その分、将来社会保険から受け取る給付(社会保障給付)が少なくなる可能性があります。
例えば、雇用保険の失業給付は直近6ヶ月の給与額に応じた手当てが支給されますが、この支給額に影響が出る場合があります。
また、厚生年金の老齢給付は生涯の給与額に応じて支給されますが、この支給額についても影響が出る可能性があります。
多くの場合、軽微の影響に収まるかもしれませんが、予め、このような点にも注意を払っておく必要があります。
デメリット②:企業や事業所の追加負担が発生する可能性がないとはいえない
加入者の掛金は元本が保証されますが、仮に給付時に掛金の積立不足が発生してしまった場合、企業や事業所が不足分を補填する必要が生じる可能性があります。
ただし、はぐくみ基金の場合、「複数の国内大手生命保険会社への委託運用」、安全性が高い生保一般勘定などを中心とした「資産保全性の高いポートフォリオ」、さらに積立不足が発生しにくい「キャッシュバランスプラン」によってリスクを限りなく抑えているため、安心できるといえるかもしれません。
不明な点などは、直接、ご相談・お問い合わせください。
まとめ
はぐくみ基金は、従業員、経営者や役員、会社や事業所それぞれにメリットが生まれる制度です。
この機会に是非ご検討ください。