はぐくみ基金特集

はぐくみ基金への想いと誕生秘話(BP社代表インタビュー)

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「はぐくみ基金」の設立に大きく関わったのが、はぐくみ基金の導入支援や各種サポート業務を行っている株式会社ベター・プレイスです。

はぐくみ基金は、福祉や医療など、社会の発展を下支えする人たちの福利厚生や資産形成支援のために設立されましたが、同社代表取締役社長 森本新士氏に、はぐくみ基金を設立した理由や背景、社会に対する想いについて熱く語っていただきました。

この記事では、その様子をインタビュー形式でご紹介します。

備考
この記事の内容はnoteより転載しています。
他にもはぐくみ基金の創設に関わった人たちの声を紹介していますので、是非合わせてご確認ください。

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人々の生命と社会生活を支えるエッセンシャルワーカーのための「はぐくみ基金」

最初に「はぐくみ基金」のサービスについて教えていただけますか?

株式会社ベター・プレイス 代表取締役社長 森本新士氏

―森本
医療・保育・介護など、人々の生命と社会生活を下支えする仕事に携わっている方々、いわゆるエッセンシャルワーカーのために、税制優遇のパワフルな仕組みを活用し、資産形成をしてもらう積立制度が「はぐくみ基金」です。

資産形成と聞いてもピンとこない方は多いと思いますが、はぐくみ基金はシンプルでわかりやすく、簡単に積立ができて、税制優遇も受けられます。退職時のほか、休職、育児介護休暇時などにも受け取りができます

休職したタイミングでも積立金が受け取れる仕組みは、かなりこだわったポイントなのでしょうか?

―森本
福祉・医療業界は女性が7割を占めています。看護師さんも女性が多いですし、保育現場に至っては9割以上が女性です。結婚や出産、あるいはご両親の介護とか、ライフイベントによって休職したり、退職を選択したりも多いわけですが、そうしたタイミングでも積み立てた資金を受け取れるようにしています

福祉、介護や保育といった職場は給与の水準も残念ながら高くありません。一生懸命働いていても、休職となると生活設計が難しいこともあります。

まとまったお金がなくて、場合によっては借金までして……みたいなことも実際にある。だから、はぐくみ基金は退職金だけにとどまらず、休職や育児休暇などでも必要に応じて積立金を受け取れるようにしました

退職共済制度廃止の悩みを聞き、すぐに「はぐくみ基金」を設立

まず福祉や医療従事者などエッセンシャルワーカーから、この年金制度を広めている理由についてお伺いしたいのですが。

―森本
根底には、どの職種にというのではなく、将来の経済的不安を抱えるすべての方にこうしたサービスを提供したいという気持ちがあります。

その上で、なぜ福祉・医療業界を対象にしたサービスを始めたのかというと、やはり介護職や保育職は、人々の生命と社会生活を支える重要な立場でありながら給与水準が低く、生活に困窮しているわけではないにしてもそれほど経済的な余裕がない方が多い現実があるからです。

なおかつ、エッセンシャルワーカーの方々は労働人口でみると非常に多いんですね。今後もますます増えていくでしょう。しかし離職率も高い。身体的にきついのに加えて、経済的な不安要素が大きいからです。

人々の生活を支えてくださっている人が大勢いる、その皆さんに安心できる資産形成のサービスを提供することに意義があると考えました。

森本社長はエッセンシャルワーカーの方たちが抱えている不安、福祉業界の課題などを感じていたということでしょうか?

―森本
実は僕の弟は地方で介護士をしており、奥さんは保育士なんです。彼らの生活を見ていると、贅沢なことは本当にしていないけれど、経済的なことでいえば決して余裕があるわけではないんです。

たとえば、何かあってどちらかが働けなくなると、すぐに生活が行き詰まってしまうかもしれない。そういう環境にある人たちが、もし100万円の資産形成をしていたら、安心感が全然違うと思うんですよね。

確かにそうですね。はぐくみ基金設立の背景には、一般的な退職金制度の打ち切りなどがあったと伺っています。その辺についてはいかがでしょう?

―森本
介護や保育というのは、以前はほとんどが社会福祉法人によって運営されていました。当時は福祉医療機構という厚労省の外郭団体があって、そこからの退職金制度がありました。簡単に説明すると、会社が50,000円、地方自治体が50,000円、さらに国から50,000円で、合計年間15万円を積立てし、退職金にあてていたわけです。

ところが社会福祉法人ではなく、一般的な企業による介護や保育のサービス提供も増えてきた。株式会社には国も関わった退職金制度はないので、ちょっと不公平になりますね。それから国の財政難もあります。ですから、この退職共済制度は、今は介護や障がい分野で廃止になり、残っているのは保育士さん向けだけです。

でも、これも厚生労働省は打ち切る方向でいます。そこで、保育団体の会長さんなどから、退職共済制度がなくなりそうだけども、どうしたらいいのだろうとご相談をたくさん受けた。それもはぐくみ基金を作ろうと思ったきっかけのひとつですね

それを聞いた時、どのように感じられましたか?

―森本
これはある意味、日本の将来の縮図です。
国は財政難で、つまりいずれは厚生年金自体もどうなるのかわからない。福祉介護の世界だけでなく、本当にこれは他人事ではない、自分たちにとっても大きな問題なのだと思いました。

そういう話を聞いて、だったら制度を自分たちで作ろうとすぐに行動に移せるところがすごいなと思います。なぜ、すぐにはぐくみ基金を作ったのか、なぜそれができたのかが大変興味深いところです。

―森本
ニーズがあって、その人たちのペイン(痛み)があった。僕は少なくとも基金をつくるノウハウは持っていたので、正直なところ、あまり考えずに「よし、だったら作ろう」みたいな感じですね。

幼少期の貧困・身内の自己破産を経験し「経済的な余裕がない人の資産形成」を決意

ベター・プレイス社の創業について、お話を伺いたいと思うのですが。

―森本
これはあんまり話したくないことですが、原体験として自分の幼少期があります。

僕の両親は小学生の頃に離婚していて、僕と弟は母親に引き取られました。シングルマザーが仕事をし、ふたりの子どもを育てるというのは本当に大変で、母親はそれこそ朝から晩まで働いて、それから内職をして僕らを育ててくれたんです。

今、日本で7人に1人の子どもが貧困状態にありますが、僕自身、その貧困を経験しているんですよ。体操服さえ買えないようなね。シングルマザーに対する経済的支援は薄いですし、たとえば養育費をきちんと支払っている人のほうが少ないのは昔今も同じです。その上、養育費を強制的に取り立てる法的強制力もないので、貧困に陥る人が多いのも当然です。

ある時、夏休みを利用して父親の実家にいたら、いきなり転校手続きがされて、そちらで暮らすことになりました。幼かった僕には意味がわからないことだらけでした。成長するにつれて、シングルマザーであった母親は経済的に限界がきて、手放したのだろうなと想像がつきましたが。

それから父親のもとで暮らして、親父は酒屋を何店舗か経営していたんですけど、ちょうどコンビニエンスストアが出てきた頃で、最終的に店は倒産しました。弟が酒屋を手伝っていたのですが、結局、弟も自己破産をせざるを得なかった。まだ弟は二十代前半だったんですよ。当時、僕は保険会社で働いていましたが、何もしてあげることができませんでした。

子どもの頃に味わった貧困とか、真っ当に生きて頑張っていた弟の自己破産が自分の考えに大きな影響を与えていると思います。

子どもの貧困がない世界、真っ当に生きている人が損をしない世界を作りたいと思った。それがベター・プレイスへとつながっています。

幼少期(木登りしている森本と弟と祖母)

ご自身の体験、身内の経験が根底にあるのですね。森本社長は、最初は保険会社で働いていたということですが、就職先として金融業界を選んだのは何か理由があるのでしょうか?

―森本
叔父が保険代理店をやっていて、保険業界は面白いし給料も高いし、やりがいがあると聞いて入ったんです。

当時から課題感があって、これから高齢化社会がきて貯蓄とかしていないと大変なことになるぞと思って、だから年金保険ばかりを一生懸命に売っていたんです。

ところが、日本経済がダメになってくると予定利率も下がって、保険会社も儲からないので年金保険にはもう力をいれないわけです。もっと利益のある別の保険を売りなさいと言う。僕はそれに反発して、何を言われても年金保険がお客様のためになると思って、いくら上司から注意されても売り続けていました。

その時から年金にかける思いがあったんですね。起業というか、今の「はぐくみ基金」の原型、事業展開をしようと心に決めたのはいつ頃でしょうか?

―森本
弟が自己破産をした時ですね。僕は25歳でした。

その後、別の外資系保険会社に転職しました。ここは世界で初めて投資信託で運用する保険を開発した会社です。いわゆる変額保険ですね。

世界経済の成長はおおむね年間3%から5%程度ですが、世界株式で運用すると年利で6%から8%くらいになる。するとだいたい10年で資産は倍になります。この仕組みを使って資産形成していただこうと。

しかし、結局その保険会社は買収され、その後は会社の風土が大きく変わり、自分には全く合わないと思ったので1年ほどでやめました。

それから「さわかみ投信」という一般生活者の財産作りを応援するコンセプトをかかげた会社にお世話になりました。さわかみ投信は独立系の運用会社で、実に多くのことを学びました。

その後、森本社長は一度独立をしていらっしゃいますよね。

―森本
ええ、庶民が手軽に、本格的な資産運用が出来る運用会社を立ち上げました。

ところが、お金が集まらなかった。良い仕組みだったと思うけど時代的に早すぎた面もありました。

当時は今より会社を存続させるための資本調達が難しかったですし、リーマンショックの影響をもろに受けて個人のお金は全然集まらなかった。結果的に僕は会社から追い出され、それで最終的に、仕切り直してベター・プレイスをはじめました。

企業にも従業員にもメリットのある年金システムを

いよいよベター・プレイス創業となるわけですが、こういう会社にしたいというビジョンはどのようなものだったのでしょうか?

―森本
僕のライフワークは社会人になった当初から変わりません。言葉にすると「庶民が簡単にできる資産形成」です。

はぐくみ基金は、ここ数年で大きく業績も伸ばしたと思うのですが、その要因はどこにあるのでしょうか?

―森本
強烈なニーズがあったからに尽きると思います。
保育も介護も圧倒的な人手不足です。ただ一方で、税金で運営されているので、どうしても給料には反映されづらい。確かにここ数年で給与は多少上がりましたが、上場企業なみの退職金は準備できませんし、退職金がないところもあります。

だからこそ、はぐくみ基金のような仕組みが必要とされていたわけです。今でははぐくみ基金を推奨し認定する動きがどんどん広まっています。

お話を伺っていると、森本社長はずっと顧客目線でいらっしゃるなという印象を受けます。保険や金融業界では珍しいのかなと思うのですが、いかがでしょう。

―森本
皆さん「思い」はあるけれど、自分の給与が会社の利益から支払われていることを考えると、顧客目線で考え、顧客第一を貫くのは、難しくなってしまうのかもしれません。でも本来、お客様のためになるものをしっかり研究すれば、おのずから売れていくはずだと僕自身は思っています。

人々が「お金の心配なく」「自分らしく働ける」社会へ

事業を展開することで今後、めざしていきたい社会、生み出していきたい社会はどんなものでしょうか?

―森本
保育や介護業界には400万人の人がいます。そういう社会を下支えしている人たちがたとえ、資産形成についての知識がなかったとしても、経済的な支えが作れ、安心して毎日を過ごせるようなお手伝いをしていきたいと思っています。

いま、はぐくみ基金を利用しているのは3万人程度でしょうか。最低でも30万人とか100万人とかいったところまで広げていきたいですね。現在および将来にわたり、人々が「お金の心配なく」「自分らしく働ける」社会を目指す。これがベター・プレイスの想いです。

備考
この記事の内容はnoteより転載しています。
他にもはぐくみ基金の創設に関わった人たちの声を紹介していますので、是非合わせてご確認ください。

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