退職金制度特集

介護職の一般的な退職金制度の相場について解説

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介護職は、ほかの産業と比べても退職金制度が充実しているといわれています。

本記事では、介護福祉士や介護士といった介護職に就いている方向けに退職金事情をまとめました。受給要件の確認方法や、受給時の注意点を解説しているほか、業界の退職金導入率や相場なども解説します。

本記事を一読すれば、退職後のライフプランが立てやすくなるほか、転職先の退職金制度を見極める知識も身に付くでしょう。

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介護職の退職金の相場シミュレーション

介護職の退職金相場を介護福祉士、介護士と職種別に確認しましょう。

介護福祉士の退職金の相場シミュレーション

勤続年数(年) 法人都合退職(万円)
自己都合退職(万円)
1 16 8.9
3 28.2 16.9
5 56.2 36.3
10 139.7 98.4
15 263 203.5
20 410.5 348.3
25 598.9 536.9
30 771.2 703.8
35 963.9 872.5
40 1093.9 998.1

2015年版 病院職種別モデル退職金実態資料

介護士の退職金の相場シミュレーション

勤続年数(年) 法人都合退職(万円)
自己都合退職(万円)
1 10.7 8.6
3 22.6 15.6
5 42.7 31.9
10 111.3 91.5
15 207.5 170.7
20 311.4 268.4
25 456.4 407.4
30 594.5 536.1
35 743.7 674.3
40 882.3 806.8

2015年版 病院職種別モデル退職金実態資料

産業全体における「勤続年数25年」の退職金支給額モデルは、自己都合退職で490.6万円です。

比較すると、介護福祉士の「勤続年数25年」での退職金相場は自己都合退職で536.9万円なので比較をするとやや高めだといえるでしょう。

一方、介護士の「勤続年数25年」での退職金相場は自己都合退職で407.4万円なので比較をすると低いといえるでしょう。

退職金を受給するための最低勤続年数

退職金の受給要件は、最低勤続年数を含めすべて会社が定めるため、詳細は自職場の就業規則を確認しましょう。一般的には、「勤続3年」を要件とする会社が多い傾向にあります。

自己都合退職時における退職金の受給要件(最低勤続年数)

1年未満 1年 2年 3年 4年 5年以上
産業全体 2.5% 18.0% 11.2% 51.5% 1.6% 8.9%

自己都合による退職に関しては、勤続3年を受給要件とする会社が50.0%と半数を占めています。

法人都合退職時における退職金の受給要件(最低勤続年数)

1年未満 1年 2年 3年 4年 5年以上
産業全体 9.3% 24.7% 9.1% 32.4% 1.3% 6.0%

法人都合による退職でも勤続3年を受給要件とする会社が一番多いですが、自己都合退職に比べると減少し、3年未満を要件とする会社の割合が増えています。

介護職における退職金制度の主な形態

ここでは、介護職における退職金制度について、特に多い形態を挙げそれぞれに中途退職時の受給要件や注意点などをご紹介します。

  • 確定拠出年金(企業型DC)…原則60歳にならないと受給不可
  • 確定給付企業年金(DB)…受給要件は導入制度によってさまざま
  • 企業独自の年金・退職金制度…受給要件は法人によってさまざま

詳細は、以下で解説します。自職場の退職金制度に対する理解を深められるのはもちろん、転職先を探す際の指標にもなり得ます。

確定拠出年金(企業型DC)

加入者にとっての受給メリットと注意点

メリット 給付金は税制優遇対象である
注意点
  • 原則60歳までは受給不可
  • 給付額は受給時点まで定かでない

確定拠出年金(企業型DC)は、年金とありますが老齢給付金としてだけでなく、退職一時金としても受給可能です。

どちらの形式で受け取ったとしても所得控除の対象となり、税制優遇を受けられるのはメリットでしょう。

ただし給付額はこれまでの運用結果によって変動するほか、受給要件として、原則60歳以上の年齢制限が設けられています。

60歳になる前に退職する場合には自ら移換手続きをし、また改めて掛金を積み立てていくことになります。

転職先が企業型確定拠出年金(企業型DC)を導入しているのであればそちらに移換、ない場合にはiDeCoに移換しなくてはいけないので注意しましょう。

確定給付企業年金(DB)

加入者にとっての受給メリットと注意点

メリット
  • 退職時に受け取れるため中途退職時にも受給しやすい
  •  給付額はあらかじめ約束されている
  • 給付金は税制優遇対象である
注意点 特段なし

確定給付企業年金(DB)もまた、年金とありながらも老齢給付金としてだけでなく、退職時に退職一時金としても受給可能です。

受給要件は制度によってさまざまです。

なかには「年齢制限なし・加入1ヵ月以上・休職時も利用可能」といった極めて易しい要件設計の制度もあります。

給付額は税制優遇の対象です。受給時には、退職所得控除または公的年金等控除が適用されます。

企業独自の年金・退職金制度

加入者にとっての受給メリットと注意点

メリット 受給要件や給付額を設計する際の自由度が高い
注意点  積立額の損金算入ができない

自社の内部保留や生命保険を用いて、年金・退職金制度を独自に設計する会社の場合、受給要件や給付額はその会社次第です。

自助努力で退職金制度をまかなえる会社の多くは安定した基盤を備えているため比較的、手厚い傾向にはあるでしょう。

ただし給付方法は、退職時の退職一時金のみです。

退職金の有無を確認するには?

自職場で退職金がもらえるかどうかを確認する方法は、以下3つが上げられます。

  • 自職場の就業規則を確認する
  • 総務など担当者に確認する

上の選択肢ほど手間がかからず簡単ですが、下の選択肢ほど確実な情報が確認できます。状況に応じた方法を選ぶとよいでしょう。

自職場の就業規則を確認する

退職金制度が導入されている会社であれば、就業規則に必ず「退職金規定」が記載されています。

退職金規定には制度の受給要件が詳しく盛り込まれているので、一読すれば「現時点で退職した場合、退職金をもらえるか」が分かるでしょう。退職金の計算方法や支払方法なども確認できます。

就業規則は従業員への周知義務があるため、誰もがいつでも確認できる場所に掲示されているのが一般的です。

会社によっては入社時や規則変更時に書面を配布していたり、会社の共有サーバーにファイルとして保管していたりすることもあるでしょう。

総務など担当部署に確認する

就業規則を確認しても分からない点があるときは、総務をはじめとした担当部署に確認しましょう。

ただし退職金規定を確認することは、退職の意思表示と捉えられる恐れがあります。

場合によってはトラブルに発展しかねないので注意が必要です。 

「退職金の計算が合っているかを知りたい」や、「このような事情があるケースでも退職金がもらえるか」など、事前にどうしても確認したい内容がある場合には、ファイナンシャルプランナーを弁護士をはじめとした外部への相談もおすすめです。

介護職の退職金に関する2つの注意点

最後に、介護職に従事する方が退職金を受け取るにあたって押さえておきたい注意点を2点だけご紹介します。

1.退職金が支給される日は事業者によって違う

退職金の支給日を定める法律はないため、勤め先によって支給日は異なります。

就業規則(退職金規定)にて各社取り決めがされているので、ご確認ください。

ただし規定で定められた例外期間を除き、従業員が退職金請求をした場合、事業者は請求から7日以内に支給することが義務付けられています。

万が一、退職金の未払いが疑われる場合には、 まずは会社に相談しましょう。それで解決しない場合には労働基準監督署や社労士に相談を検討すると良いです。

2.退職金には税金がかかる

退職金には所得税や住民税といった税金がかかります。退職金は一時金として受け取ると退職所得、年金として受け取ると「雑所得」扱いとなるためです。

ただし所得控除が適用されるため、退職金の全額に税金がかかる訳ではありません。

一時金として受け取る際は退職金所得控除が適用され、勤続年数に応じて所得控除額が決まります。

勤続年数が20年以下の場合は「40万円×勤続年数(※最低でも80万円控除)」、20年を超える場合は「800万円+70万円×(勤続年数-20)」の計算式を用います。

  • 例1)勤続年数が5年の場合、控除額は200万円
  • 例2)勤続年数が25年の場合、控除額は1,150万円

年金として受け取る際は、そのほかの所得と合算されたうえで、基礎控除や配偶者控除などの所得控除対象となります。

なお年金として受け取る場合には給付時点までの運用益を得られるため、給付総額は一時金受け取りよりも大きくなります。

ただし年金としての受け取りでは毎年、課税対象となり、社会保険料にも影響を及ぼすので家計や状況に応じて選択しましょう。

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