プレスリリース

2025.10.23

【研究結果】従業員の人材定着・エンゲージメント向上に、加入者数10万人超「はぐくみ企業年金」が寄与する可能性が高いことを実証

ベター・プレイス、山梨大学名誉教授 西久保 浩二氏と共同研究。お金の福利厚生「はぐくみ企業年金」の加入要因とその経営的効果

「福祉はぐくみ企業年金基金」(以下、「はぐくみ企業年金」)を中心に、企業年金・退職金制度の導入・設計をサポートする株式会社ベター・プレイス(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:森本 新士、https://bpcom.jp/、以下、ベター・プレイス)は、山梨大学名誉教授であり福利厚生戦略研究所 所長の西久保 浩二氏と共同で「はぐくみ企業年金の加入要因とその経営的効果」について調査を行いました。

「はぐくみ企業年金の加入要因とその経営的効果」調査結果

「はぐくみ企業年金の加入要因とその経営的効果」調査結果

近年、中小企業の人手不足が加速しています。東京商工リサーチの調査によると、『2025年9月に「人手不足」が一因となった倒産は、調査を開始した2013年以降では月間最多の46件(※)』というデータがあり、人材採用・定着は経営者にとって重要な課題のひとつです。
また、物価高騰が続く中、将来の「お金の不安」を抱く従業員が多い昨今において、不安を軽減しエンゲージメントを高めるためには、お金に関する福利厚生=ファイナンシャル・ウェルビーイング施策が不可欠です。
※出典: 株式会社東京商工リサーチ『2025年1-9月の「人手不足」倒産が過去最多 「従業員退職」が前年の1.6倍増、初の年間300件超へ』(2025年10月3日) https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1201866_1527.html

本調査は、「はぐくみ企業年金」導入法人のデータを用いて、お金の福利厚生である「はぐくみ企業年金」が「人材定着」および「従業員エンゲージメント」など経営面に与える効果について、ファイナンシャル・ウェルビーイングと福利厚生が経営や人材戦略にもたらす影響を研究する第一人者である西久保氏と共同で調査し、明らかにしたものです。

【調査結果ハイライト】(一部抜粋)

  1. 「お金の不安」は「老後の生活資金」が最多。「60代」(92.1%)で最も多いが、「20代以下」でも56.5%、「30代」で80.3%と高い水準。
  2. 従業員のエンゲージメント(活力・熱意・没頭)は、「はぐくみ企業年金」加入者が非加入者を統計的に有意に上回る
  3. 「はぐくみ企業年金」加入者は、非加入者と比較して企業が重視する「定着性」「勤勉性」「貢献意欲」のすべてにおいてスコアが上回る結果となり、良好な労働態度形成に貢献していることが示唆された。

【調査結果サマリー】

1.「はぐくみ企業年金」に対する加入行動とその背景

本調査の対象者全体において、「お金の不安」の具体例として最も多く認識されているものは「老後の生活資金」であることが判明しました。この不安意識が、金融商品として「年金」を選好する強い背景となっていると考えられます。

特に、リタイア直前期の60代では92.1%と突出して高いものの、20代以下でも56.5%、30代では80.3%と、若年層・現役世代においても極めて高い水準にあることが明らかになりました。

以下、全体傾向と年代別の結果について説明します。

従業員が抱える経済的な不安

まず、年金・資産形成制度の利用背景にある従業員の経済的な不安を見ると、全体で80.6%が「老後の生活資金」を最も大きな不安として抱えていることが明らかになりました。次いで「日々の生活費の確保」(53.9%)、「病気やケガ」(49.8%)といった、将来の備えと直近の生活費に関する不安が上位を占めています(図表1)。

図表1 お金の不安

図表1 お金の不安

次に年代別に見ると、不安の種類には明確な傾向が見られました。

まず、「老後の生活資金」および「病気やケガ」といった将来への備えに関する不安は、年代を追うごとに上昇し、60代(92.1%、57.1%)でピークに達しています(図表2)。

一方、「日々の生活費の確保」(73.1%)や「住宅の確保」(27.3%)は、20代が最も高い結果となり、若年層は直近の生活基盤に関する不安を強く抱えていることがわかります。

また、「教育費の確保」は40代(36.1%)、「働ける場所の確保」は50代(32.9%)で最も高くなり、各年代が直面するライフイベントに合わせた経済的な不安が浮き彫りになりました。

なお、各不安に対する総量をみると、従業員が抱える経済的な不安は40代をピークとして、徐々に低減する傾向にあることが確認されました。

図表2 お金の不安(年代別)

図表2 お金の不安(年代別)

2.「はぐくみ企業年金」への加入によってもたらされる効果

企業価値向上のカギとして注目される人的資本経営の実現において、エンゲージメントは極めて重要な指標です。

本調査では、エンゲージメントの構成要素である「活力」「熱意」「没頭」を含めた全体スコアおよびすべての要素において、加入者のスコア値が統計的に顕著に高いという結果が得られました。つまり、「はぐくみ企業年金」の加入者は、非加入者と比較してエンゲージメントが高いことが明確に示されました。

この傾向は、他の外部要因の影響を排除した厳密な因果分析によっても確認されており、「はぐくみ企業年金」の導入が従業員のエンゲージメント向上に寄与する可能性が実証されました。

以下、各々の結果詳細について説明します。

加入有無とエンゲージメントとの相関関係

下記のグラフは、エンゲージメントを構成する「活力」「熱意」「没頭」の3要素、およびその合計値であるエンゲージメント全体スコアについて、「はぐくみ企業年金」加入者と非加入者の間に明確なスコアの差異があるかを比較したものです。このスコア差は高い統計的信頼性をもって有意であることが明らかになっており、加入者は非加入者に対してエンゲージメントが高いことを示しています。

図表19 エンゲージメントの3要素 / 図表20 エンゲージメントの要素比較

図表19 エンゲージメントの3要素 / 図表20 エンゲージメントの要素比較

図表21 エンゲージメント全体スコア

図表21 エンゲージメント全体スコア

3.3つの従業員態度(「定着性」「勤勉性」「貢献意欲」)への影響

次に、「はぐくみ企業年金」を導入した勤務先企業に対する従業員態度「定着性」「勤勉性」「貢献意欲」の3点について検証いたしました。この3点は、これまで多くの企業が目標として注力してきた指標です。

結果、「はぐくみ企業年金」の加入者は、非加入者と比較して、これら3種の従業員態度のすべてにおいて有意に高いスコアを示しました。つまり、加入者はより強い定着意向を持ち、勤勉な労働を志向し、さらに勤務先企業への貢献意欲が顕著に高いということです。
これは、「はぐくみ企業年金」の導入が、従業員の良好な労働態度の形成に貢献している可能性が高いことを実証しています。

以下、結果の詳細について説明します。

加入有無と定着性・勤勉性・貢献意欲との相関関係

本調査では、エンゲージメント以外にも、企業経営において長年重視されてきた従業員態度の3要素に対する、「はぐくみ企業年金」の影響力について検証しました。

ここで取り上げた3要素は、「定着性」(今の会社で、できるだけ長く働きたいか)、「勤勉性」(今の会社で一生懸命働きたいか)、「貢献意欲」(今の会社にできるだけ貢献したいか)です。
結果、これら3要素のすべてにおいて、加入者の平均スコアが非加入者を統計的な信頼性をもって上回ることが判明いたしました(図表25)。これは、「はぐくみ企業年金」の導入が、離職率の低下に直結する、良好な労働態度の形成に貢献している可能性があることを示しています。

図表25 定着性・勤勉性・貢献意欲スコア(加入有無別)

図表25 定着性・勤勉性・貢献意欲スコア(加入有無別)

【この調査が示す意義と今後の展望】

今回実施した調査は、お金の福利厚生である「はぐくみ企業年金」が単なる待遇改善に留まらず、人的資本経営の中核である従業員のエンゲージメントと定着に、具体的な影響を与えている可能性があることを実証するものです。

ベター・プレイスは今回の研究結果を基に、今後も「はぐくみ企業年金」を通じて、中小企業が抱える人手不足の課題解決と、働く人の将来不安を減らすための取り組みを行ってまいります。

【山梨大学名誉教授・福利厚生戦略研究所 所長 西久保 浩二氏 コメント】

今回の調査は、「はぐくみ企業年金」が従業員の態度形成に与える影響について、統計学的なアプローチで検証を行った点で、極めて意義深いものです。
分析の結果、「はぐくみ企業年金」の導入が、従業員のエンゲージメント向上に貢献する可能性が高いことが、データとして明確に示されました。活力、熱意、没頭といった3つの構成要素で有意な差が確認されています。
中小企業の人材不足は、今後の社会インフラを支える上でも重要な課題です。こうした時代において、本制度のような従業員の将来の安心を支える福利厚生が、定着率や貢献意欲の低下を食い止める手段のひとつとなり得るのであれば、非常に喜ばしいことです。

今後、人的資本経営が進む中で、統計学的アプローチによって従業員エンゲージメントを可視化し、その効果を定量的に追求していくことは、組織の持続的成長のために不可欠な取り組みとなるでしょう。本研究が、その一助となることを期待しています。

【はぐくみ企業年金の加入要因とその経営的効果 調査概要】

  • 調査企画・実施:株式会社ベター・プレイス、山梨大学名誉教授・福利厚生戦略研究所 所長 西久保 浩二
  • 調査対象:「はぐくみ企業年金」導入法人に勤務する男女
  • 対象エリア:全国
  • 調査方法:インターネット調査
  • 実施期間:2025年8月1日~8月21日
  • 回答件数:2,744名

「はぐくみ企業年金」について

現在我が国は、人口減少と超高齢化による「就労人口の減少」が進み、慢性的な人手不足の現状があります。また、若年労働者が企業を退職する理由は経済的な理由が最多*¹であり、働く世代の老後の不安の第一位は「お金」*²となっています。

勤務する企業規模や居住する地域によって生じている経済格差、これは将来の資産形成、老後資金にも大きく影響しています。私たちは、主に中小企業とそこで働く方を支えるため、企業にも従業員にもメリットがある企業年金制度「はぐくみ企業年金」の導入を推進しています。

「はぐくみ企業年金」は厚生年金被保険者であれば、従業員(非正規雇用含む)でも役員でも加入可能な確定給付企業年金(DB)で、事業主側はコストを抑えながら企業年金・退職金制度を構築することができます。企業年金・退職金制度の充実が従業員満足度向上・離職率低下につながったというお声もいただいており、特に人手不足が深刻化している中小企業や福祉業界において、従業員に安心して働いてもらうための「お金の福利厚生」としてご好評いただいています。

従業員側のメリットには、難しい投資の知識が不要で、元本が保証*³されていることがあげられます。また、原則60歳以上にならないと受け取りができない企業型DC(企業型確定拠出年金)やiDeCo(個人型確定拠出年金)に比べて、高齢期の資産形成を目的とした積み立てが基本となる点は同じですが、年金として受け取るのではなく退職時や休職時、育児・介護休業時にも受け取る選択が可能なため、育児や介護を将来に控える従業員から厚い支持を集めています。

現在、導入法人の96%が従業員300名以下の中小規模法人*⁴で、約4割の法人が福祉・医療・教育関連*⁵となっています。
*³運用実績により不足が生じた場合は、事業主が不足分を補てんします。

サービス紹介サイトURL:https://bpcom.jp/hagukumikikin/

(出所)
*¹厚生労働省 令和5年若年者雇用実態調査の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/4-21c-jyakunenkoyou-r05_gaikyou.pdf
*²金融庁 金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」2019年6月
https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20190603.html
*⁴厚生年金被保険者数記録のある2018年4月~2024年9月現在までに導入した2,849法人が対象
*⁵2018年4月~2024年9月現在までの実績

「はぐくみ企業年金」キャッチコピー・ステートメント

はぐくみ企業年金加入実績(2025年9月末)※事業所・加入者数:2025年9月末時点
※平均本人掛金:2024年9月末時点
※平均加入率算出根拠
 期間:直近1年(2023年10月~2024年9月)の導入法人(1,602法人/1,665事業所)
 加入率:実加入者数/対象者数(被保険者数のうち加入できると判断された人数)

株式会社ベター・プレイス

私たちは「ビジネスを通じて、子育て世代と子どもたちが希望を持てる社会をつくる。」という企業理念を掲げ、富裕層ではない一般の人たちが「お金の心配なく」「自分らしく働ける」社会を目指しています。

中小企業従業員やエッセンシャルワーカーの多くは、世の中を支える大切な仕事をしているにもかかわらず、大企業で働く人々と比べて所得水準が高くありません。また、勤務先に企業年金・退職金制度が設けられていないことが多いため、その恩恵を十分に享受できていません。

将来のお金の心配を抱えることは、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)の低下や、子どもを望んでも安心して生み育てることができない心理状態につながります。

将来への「希望格差」― ベター・プレイスは、この課題を解決するために事業活動を行っています。

主なサービス

企業年金DXシステム「はぐONE」の提供
「福祉はぐくみ企業年金基金」企業年金・退職金制度導入設計・サポート
企業型確定拠出年金導入設計・サポート

会社概要

会社名:株式会社ベター・プレイス
所在地:東京都新宿区市谷本村町1-1 住友市ヶ谷ビル15F
代表者:代表取締役社長 森本 新士、代表取締役COO 古市 成樹
設立: 2011年10月17日
URL: https://bpcom.jp/

【採用情報】
ベター・プレイスでは、私たちと一緒により素晴らしい未来を作り上げていく仲間を募集しています。
少しでもご興味がございましたら、お気軽にご連絡ください。
採用情報はこちら: https://bpcom.jp/recruit/

報道お問い合わせ先

株式会社ベター・プレイス
コーポレートコミュニケーション&ガバナンス部 早川・好中・小林

TEL:03-5227-8222 平日9:30~17:00(年末年始・祝日を除く)

MAIL:public@bpcom.jp