世界平和実現には、まずは足元から。“職員の安心“を支える制度づくりのために、認定NPO法人テラ・ルネッサンスは「はぐくみ企業年金」を導入

世界平和実現には、まずは足元から。“職員の安心“を支える制度づくりのために、認定NPO法人テラ・ルネッサンスは「はぐくみ企業年金」を導入

認定NPO法人テラ・ルネッサンスは、平和教育・地雷・小型武器・子ども兵の問題に取り組む国際協力団体です。「すべての生命が安心して生活できる社会(世界平和)の実現」を目的に2001年に設立されました。

日本人職員21名、外国籍職員約80名が在籍しています(2025年3月時点 )。経営危機をきっかけに組織改革に取り組み、職員の将来への不安を解消するために「はぐくみ企業年金」を導入いただきました。

今回は同法人の創設者であり理事の鬼丸様、理事長の吉田様と事務局長の佐々木様、「はぐくみ企業年金」加入職員を代表して古岡様にお話を伺いました。
(導入法人に取材した内容を編集して掲載しています)

業種
福祉・介護
利用規模
1~30名
地域別
近畿
代表者写真
理事長 吉田 真衣 様
認定NPO法人テラ・ルネッサンス
https://www.terra-r.jp/about_message.html
テラ・ルネッサンスは「すべての生命が安心して生活できる社会(世界平和)の実現」を目的に、4つのテーマ「地雷」「小型武器」「子ども兵」「平和教育」の課題解決を目指すNPO法人です。
課題
検討背景
・経営危機を経て、世界平和の実現には安心して働ける組織基盤が重要だと痛感した
・「はぐくみ企業年金」のコンセプトに共感し、自法人の理念にも通ずると感じた
解決策
導入の狙い
・職員のお金の不安を減らす退職金制度の新設
・職員の活動モチベーションを高め、長く勤めてもらう
効果
生じた変化
・資産形成について調べる機会が増え、職員の金融リテラシーが向上した
・職員の組織に対するエンゲージメントが向上した
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紛争被害者支援と平和教育・啓発活動、「すべての生命が安心して生活できる社会」を目指して

本日はよろしくお願いいたします。まずは御法人の活動内容について教えていただけますでしょうか。

鬼丸理事:テラ・ルネッサンスは「すべての生命が安心して生活できる社会の実現」を目的に、地雷除去支援、紛争・災害被災地域での復興支援事業、地雷被害者や元子ども兵といった紛争被害者への支援事業、一般市民を対象とした地球市民意識の啓発活動などをおこなう認定NPO法人です。

活動対象国はカンボジア、ラオス、ウガンダ、コンゴなど10カ国・地域で、最近はウクライナの紛争被害者に対する基礎教育や職業訓練などの自立支援を現地でおこなっています。

設立25年目で、京都に本部事務局を構えており、10カ国・地域で事務所を運営。日本人職員21名、外国籍職員約80名の職員が働いています(2025年3月時点)。

御法人の設立背景を教えてください。

鬼丸理事:きっかけは私が大学生のとき、カンボジアの地雷原を訪れたことでした。地雷除去の難しさや地雷被害者の悲しい体験談を聞いて、「自分に何ができるのか」と考えたのです。

自分には、地雷除去も高額な寄付もできないけれど、見聞きしたことを人に伝えることはできると思い、2001年2月から地雷に関する講演を日本国内で始めました。続けるうちに、支援希望者や一緒に活動したい人たちが現れ、少しずつ今のテラ・ルネッサンスが形づくられてきました。

鬼丸様の思いから始まったのですね。組織づくりにおいて意識したことはありますか?

鬼丸理事:活動理念を組織に深く根付かせることです。当法人ではミッション(使命)、活動理念、クレドを言語化しています。そのうえで、朝礼での唱和、理念に関するディスカッション、年に一回の合宿などを通じて、理念にもとづいた事業理解を促すようにしました。

その結果、スタッフの一人ひとりが「テラ・ルネッサンスらしさ」を活動現場で体現してくれ、その姿を見た海外の現地スタッフにも当法人の考え方が浸透しています。外国籍スタッフの離職率が低いことは理念浸透が進んでいる一つの表れだと考えています。

世界平和実現のために、職員が安心して働ける環境をつくる

「はぐくみ企業年金」との出会いはどんなきっかけでしたか?

鬼丸理事:きっかけは、「はぐくみ企業年金」を導入推進するベター・プレイスの森本社長との出会いです。京都で開催されたカンファレンス「ICCサミット KYOTO 2024」のピッチイベント「ソーシャルグッド・カタパルト」で登壇されており、私は審査員としてお話を聞きました。

森本さんの「社会に貢献している人に安心を提供したい」という思いに深く共感し、同時に「はぐくみ企業年金」は個人と組織の両方にメリットが大きい制度だと感じました。「退職金の代わりになるな」と思いましたね。

差し支えない範囲で結構です。経営危機に陥った当時何があったのか教えてください。

佐々木事務局長:引き金はサイバー攻撃でした。2022年末から2023年夏にかけて、当法人のWebサイトがハッキングされ、募金活動ができなくなったのです。財務状況への影響も大きく組織は大きく混乱し、立て直しのために着手したのが、向こう5年間の中期経営計画の立案でした。

ファンドレイジングをはじめとする事業戦略の見直しはもちろん、それと同じくらい組織基盤づくりも重視しました。世界平和という大きなテーマに挑み続けるには、まず組織の足元を固めることが不可欠だと感じたのです。

職員一人ひとりが生き甲斐と働き甲斐をもって安心して働ける環境があれば、自ずと経営危機からも脱却できると考えました。

体的にはどのような取り組みを進めたのでしょうか?

吉田理事長:大きくは「成長実感」「待遇・金銭面」2つの側面から制度改革を進めました。

「成長実感」の面では、給与テーブルの改定に加えて、職員研修や1on1を増やすなど、既存制度の見直し・改善を進めました。若い職員にとって、キャリアパスの見えにくさが不安の種になっており、それを取り除くことが狙いでした。

「待遇・金銭面」では、役職手当導入やベースアップなど含めた給与改善をおこないました。職員の生活基盤をより強固にしマネジメント層の待遇を良くすることで、安心して昇進できる環境をつくることが狙いでした。

佐々木事務局長:「待遇・金銭面」では、いわゆる「老後2,000万円問題」も意識しました。将来の安心をつくれなければ、当法人で働き続けることは難しいと思ったのです。そのようなとき、鬼丸から「はぐくみ企業年金」を紹介され、すぐに話を進めました。

「はぐくみ企業年金」導入の決め手は何だったのでしょうか?

佐々木事務局長:職員の実質的な可処分所得*¹の向上を叶えられることが魅力でした。何よりもまず職員の手当を充実させたいと考えていた状況にマッチしたのです。

また、老後だけでなく退職時、休職時、育児・介護休業時にも給付金が受け取れることも魅力でした。とくに当法人は職員の約7割が女性で、長期休暇前にまとまった金額が受け取れる柔軟性は大きな安心材料になります。

最終的に決め手になったのは、森本代表の人柄や思いです。拝見した動画のなかで、過去の失敗経験を赤裸々に開示されている姿に感動しました。とくにベター・プレイス社のビジョンである「やさしい人がやさしいままでいられる世界へ」という考えには深く共感しましたね。

潤沢な資金がない環境下でも、社会にとって大事な取り組みをしている方々は世界中に多くいらっしゃいます。その方々に安心して働ける環境を提供したいという思いは、当法人の哲学とも通ずるところがあります。

*¹ 「実質的な可処分所得」とは、はぐくみ企業年金に拠出した掛金を含めた額を指します。加入者が選択する掛金の額によっては、老齢厚生年金受給額を含む、将来の社会保険給付金の額が減少する可能性がございます。

年金制度がもたらす安心と、採用競争力の向上への期待

導入後の社内の変化について教えてください。

吉田理事長:数年来の課題だった退職金の問題を解決できました。具体的な効果の計測はこれからですが、離職率低下や職員のエンゲージメントアップを期待しています。

加えて、採用力向上につながったとも感じています。当法人に限らず、NGOやNPOは営利企業と比べて給与面で競争することは厳しく、採用市場においては不利な状況です。しかし、採用サイトに企業年金制度を加えられることで、選ばれる理由を1つ追加できました。

個人的に、求職者の方々に福利厚生をアピールできることは誇らしく、自法人のことをまた一つ好きになれたとも感じます。

佐々木事務局長:たしかに、採用競争力にはつながりそうです。同業界のなかで退職金制度を導入しているところは少なく、差別化になると思います。

新たな年金制度の導入について、設計段階でとくに重視したポイントを教えてください。

佐々木事務局長:前払い退職金制度に基づく本人の拠出とは別に、全職員対象に法人が拠出する仕組みを導入したことです。その拠出額は、長く勤めれば勤めるほど上がるシステムにしました。職員に安心して活動に打ち込んでもらうために必要だと考えたのです。個人拠出の金額は各職員の希望に合わせて増やすことも可能です。

法人負担については役員から反対されるかなと思いましたが、結果的には一人の反対もなく同制度の導入が決まりました。経営危機を経て、職員の安心・安全が重要だという共通認識ができていたのかなと思います。

ベター・プレイス社の担当者からは、他社と比べても高水準の法人負担額だと驚かれましたが、なるべく高い金額を拠出し、職員の安心につなげたいと考えていました。

加入者様の声

はぐくみ企業年金を実際に活用されている職員の方にお話を伺いました。

古岡様(勤続8年目※2025年10月時点)

「はぐくみ企業年金」の説明を最初に受けたときの印象を教えてください。

古岡様:まず退職金制度の設立自体がありがたかったです。加えて「はぐくみ企業年金」であれば、税金や社会保険料の負担を抑えながら*²将来への資産づくりができると感じ、総合的にいい制度にしてもらえたなとも思いました。

私は、昔から漠然と将来のお金に対する不安があり、NISAやiDeCoにも加入していました。しかし、NISAの場合は銘柄選びが大変で元本割れリスクも心配でした。iDeCoの場合は60歳まで受け取れないという制限に不便さを感じていたのです。

その点「はぐくみ企業年金」は、プロに運用をお任せでき、元本が保証*³されます。さらに、退職時や休職時にお金を受け取れ、総じて使い勝手のいい制度だと感じました。

さらに、当法人の場合は掛金の法人負担があり、私に限らず多くの職員が「組織が私たちのことを考えてくれているんだ」と、うれしく感じたと思います。

*² 選択する掛金額によっては、将来の老齢厚生年金受給額を含む、その他諸給付額が減少する可能性がございます。
*³ 運用実績により不足が生じた場合は、事業主が不足分を補てんします。

加入して良かったと感じること、変化はありますか?

古岡様:将来のお金に関する不安がやわらぎました。とくに、経営危機のときは先行き不安で、「これからどうなるのだろう」という雰囲気が職員の間で漂っていました。しかし年金制度に加入してからはお金に関する将来の不安はなくなり、このまま活動を続けても大丈夫だと希望がもてています。

さらに、当法人に対して「ちゃんと職員のことを考えてくれる組織なんだな」という信頼感も高まりました。入職してすぐはやりがい一本で続けられましたが、年齢を重ねると家族や親の介護など考えることが増えます。

そのようななか、年金制度を通じて待遇改善の兆しが感じられ、活動を続けるモチベーションが高まりました。

それでは最後に、佐々木事務局長、吉田理事長より今後の展望について教えていただけますか?

佐々木事務局長:引き続き待遇改善に取り組み、職員の方々が安心して長く働ける環境を整えられればと思っています。

同時に、ただ安心して働けるだけでなく、成長できる環境を目指すべく、人材育成への投資にも注力するつもりです。個人の目標と組織の目標を結びつけ、職員からスキル習得の希望があれば、積極的に投資ができる制度を整えられればと考えています。研修プログラムをはじめとする教育制度の充実も検討予定です。

「はぐくみ企業年金」の加入者が増えると、法人の法定福利費の軽減につながり、余剰資金が増えます。そのお金をボーナスやベースアップなど職員への還元に活用し、さらなる待遇改善を実現したいと思っています。

吉田理事長:当法人のビジョンは壮大で、まだまだ道半ばです。やりたいこと、やらねばならないことが多くあるなか、組織の中の人たちがどのように働き、力を発揮し、誇りをもてているかは非常に重要です。

世界中の支援対象者に向き合い続けるためにも、今まで以上に職員の方々の声を聞きながら、職員が活動しやすい環境づくりに取り組み続けます。

本日は、インタビューにご協力いただきありがとうございました。