貴法人の社風や、どのような想いで働かれている方が多いか教えてください
久保田代表: ワークライフバランスを大事にし、柔軟に働ける点に魅力を感じて働いてくださっている人が多い印象ですね。現場はリーダーが基本的にまとめています。各支店のリーダーと本部・運営との関係がきちんと確立されているので、全体的にまとまりがあるというのが社風と言えるかもしれません。
これまで経営されてこられた中で、大切にされていることを教えてください
久保田代表:弊社が最も大切にしていることは、ミッションである「人々のこころと未来を豊かにする」です。
そのために、3つのバリューを大事にしています。
・感謝する
・研鑽する
・承認する
「感謝する」の実行の場として、「いいこと週報」を毎週行っています。良かったことや感謝したいことを書き、みんなで共有するため報告しあう会です。いいことを見つけるのが苦手なスタッフも多いので、あえて意識してもらうために実践しています。
研鑽という部分では、研修などの支援を積極的に行っています。
承認は、やみくもに否定しない、まずは「わかるよ」という話からスタートしよう、互いに認め合い話し合おうということですね。
このようなバリューを大切にすることで、ビジョンの「人間として成長して感動を与える」の達成に繋がり、最後はミッションの達成に繋がると確信しています。
「はぐくみ企業年金」の導入背景を教えてください
久保田代表:そもそもはぐくみ企業年金を知ったきっかけは、顧問税理士さんが経営戦略のひとつとして「はぐくみ企業年金」を提案してくれたことでした。社会保険料の軽減※1にもなるし、積立をして、将来は退職金として受け取れるから従業員の満足度も上がるのではという話でした。
資産形成や退職金的な意味合いで企業型DCも検討はしました。しかし、運用リスクもあるし気軽にスタッフに加入を勧められませんでした。
退職金の制度をきちんとする面からも、いい提案だと思い「はぐくみ企業年金」導入を検討したという経緯です。
※1:「選択制(既存の給与の一部を前払い退職金に変更し、従業員ひとり一人がその前払い退職金の受取り方を選択できる制度)」による効果です。
「はぐくみ企業年金」導入の決め手、期待した効果を教えてください
久保田代表:スタッフの経済的安定が仕事の安定につながると考えたことが、導入の大きな決め手でした。また、税金や社会保険を軽減※1し、雇用確保にも良い影響を与えるなど、制度面でのメリットも導入を後押ししました。
導入の決め手とは少し異なりますが、タイミングが非常に良かったことも一因です。訪問看護ステーションでは売り上げが2ヶ月後に発生するため、成長過程では先行して運営資金を投入する必要があります。「はぐくみ企業年金」の導入には費用がかかりますが、資金繰り的にもちょうど良い時期だったため、導入が可能でした。
スタッフの経済的安定に加え、退職金制度を整えることで長期的な働くモチベーションを高められたらと考えています。弊社では、会社加算 (従業員が行う積立とは別に、会社が掛金を拠出すること)の仕組みを取り入れました。特に男性はお金でモチベーションが左右されるところも多いように感じてますので、モチベーションが上がり、サービスの質が向上し、利用者様に還元できるサイクルが作れることを期待しています。
制度の社内周知において工夫されていらっしゃることがあれば教えてください
友池様 :社内では、社内チャットを使って、はぐくみ企業年金についてお知らせしました。弊社の場合、資産形成について多少なりとも興味がある人は多いと思います。「本当は貯金したいけど、なかなかできない」といった悩みを持っている人もいますね。ですから、こうした制度の導入にも関心が高く、加入に結びついたのではないでしょうか。結果として社員の80%以上が加入してくれたようです。
久保田代表:金融リテラシーが高い人もけっこういます。はぐくみ企業年金を導入し、スタッフの加入率もかなり高いようですが、加入率の高さは、ひとつには、わたし自身が非常に良い制度だと思っていたことが影響しているかもしれません。もし、どこかで「これ微妙だよね」と思っていたら、やはりみんなに伝わるだろうし、加入率も下がるでしょう。
実際に「はぐくみ企業年金」を導入後、効果を感じることはありますか
久保田代表:訪問介護はたまに聞きますが、訪問看護では退職金制度があるところはほぼ聞かないので、採用時に他社との差別化になっていると思います。採用説明会でも退職金制度があるというと「いいね」といった声が出ます。
従業員の皆様の評価はいかがですか
久保田代表:「退職金の制度ができてよかった」というスタッフの声は届いています。社会保険料の軽減※1にもなるのもいいよね、と話しているみたいです。
今後取り組みたいことや、貴法人としての展望を教えてください
久保田代表:スタッフがより安心して働ける環境を整えて、その結果パフォーマンスが高くなり、利用者さんの「こころと未来が豊かになる」ケアにつながってくれたら嬉しいです。
事業の目的としては、23区に1区1ステーションに広げることです。単に事業開拓をしたいのではありません。品質の高いケアを提供できる状況下で、もっと多くの利用者さんに寄り添いたいという思いがあります。
また、余裕ができたら将来的には、海外での事業展開ができたらいいなとも考えます。日本の訪問ケアは質が高いため世界に通用すると思っています。ただ、まずは今できることをしっかり取り組むことで、地域の精神医療を支えてまいります。
まとめ
久保田代表の精神医療看護に対する熱い思いと共に、先進的な思考や現実的な経営者としての視点が印象的でした。また、友池様の「ケアと経営は両輪」であり、福祉・介護・看護でも収益を上げることは重要というお話も響きました。
はぐくみ企業年金が、スタッフの皆さまの経済的な安定を築く一助となれば幸いです。