学校法人三星学園の社風について、また職員の皆さまへの想いについてお聞かせください。
当法人では幼稚園や保育園、こども園を運営しておりますが、真面目で素直な先生が多く、誠実に保育と向き合っています。本当に子どもたちのことを考えて真摯に取り組んでいる先生たちばかりです。アットホームな雰囲気と共に、堅実さを兼ね備えているのが当法人の特徴です。
「一人ひとりを大切に」がわたし達の保育理念ですが、この理念の実現には、先生一人ひとりを大切にすることが大事であると考えています。先生たちがそれぞれの能力を最大限発揮できるように、職場環境の整備に注力しています。
人事面で特に力を入れていることはありますか?
保育業界全体から見た人事面の課題として、離職率が高い点が挙げられています。わたしが当法人に入社した当初、離職率の高さに驚きました。人材の定着は保育の質の向上にも関係してくる重要なところなので、長く勤めていただけるよう改善に取り組んできました。
一般的に保育業界の離職率は10%を超えると思いますが、現在、当法人では一桁台で抑えられています。
人事面に特化してお話をしますと、
・しっかりした給与体系
・適切な労務管理
・経営の透明性
この3点を特に重視しています。
待遇、つまりは給与体系をきちんと構築することで、職員や先生一人ひとりが能力を充分に発揮できる環境ができます。賃金はやはり働く上での土台ともなる部分ですから、ここはたいへん重要です。
運営側が何をめざしているのか、考えているのかを理解してもらえるように、経営の透明性を高めることは、わたし自身が非常に力を入れて取り組んでいることです。
また、幼稚園や保育園の先生は出産で退職されるケースが多いので、わたし達のところでは先生たちのための保育園を設置しています。おかげで今は、産休をとった先生の9割以上は現場に復帰してくれています。長く勤めていただきたいという想いから、働きやすい、働き続けられる環境を整えることも、適切な労務管理のひとつだと考えて実施しています。
今回、「はぐくみ企業年金」を導入したのも、先生たちが将来に対する不安を持つことなく、安心して働ける制度が必要だと判断したからです。
他にも特別休暇の付与などさまざまな取り組みが、低い離職率に結びついているのではないでしょうか。
「はぐくみ企業年金」を導入した背景と、導入の決め手を教えてください。
保育業界でいろいろな方から紹介され、「はぐくみ企業年金」を知りました。とはいえ、お話を伺っただけでは正直そこまで理解できず、わたしの方でも勉強させていただいて、制度として充分に理解し、これはいい内容ではないかと思うようになりました。
ただ、すでに退職金積立など行っていましたので、その時点では「今すぐに」という感じでもなかったんですね。
導入にあたっての、もっとも大きなきっかけは、法人の規模が拡大したことで中退共(中小企業退職金共済制度)を脱退せざるを得ない状況になったことです。
加えて、私どもは学校法人ですので私立学校教職員共済組合という積立の掛金があるのですが、その利率が下がってしまったことも影響しました。
職員の福利厚生として、より良い退職金積立制度はないかと探していたところで、はぐくみ企業年金と出会い、今回選ばせていただいたという経緯でございます。
「はぐくみ企業年金」の社内周知はどのように実施されましたか?
ベター・プレイスさんから丁寧な説明はありましたが、別途、わたし個人で資料を作成しました。若い先生が多いので、老後の資金と言われてもピンときません。そこで具体的に35年で1,000万円を貯めよう!と数字を出して、解説をしました。
ベター・プレイスさんからは「加入率を上げるには、キーマンとなる職員さんが重要」とアドバイスをいただきました。そこで、資産形成に対する意識が高い先生には特に「はぐくみ企業年金の良さ」を知ってもらえるようアプローチをしました。
結局、先生たちは「はぐくみ企業年金」の話を聞いてもなんとなくわからなかったり、悩んだりして「どうする?やるの?」みたくなりますよね。そこで「わたしはやるよ、だってこういうメリットがあるから」みたいに話してくれる先生がいれば、迷っている人の背中を押してくれます。
これからも加入率をさらに増やせるよう工夫していきたいと思っています。
「はぐくみ企業年金」を導入して職員さまの評価はいかがですか?
職員や先生には、きちんと積立できる点が好評です。昇給してお給料が増えても、どうしても増えた分はなんとなく使ってしまうでしょう。「はぐくみ企業年金」に加入することで生活水準はくずさずに、自然と無理なく貯蓄ができるところがいいという声は多いですね。
「はぐくみ企業年金」の導入は、先生たちがお金のこと、金融や資産形成について学ぶ“きっかけ”にもなりました。
そもそも、給与明細の見方もよくわからない先生も少なからずいたと思います。たとえば、毎年昇給もあるし、手当もつけていますが、それなのに手取りがあまり増えていないのはどうしてだろう?という素朴な疑問を持っているわけです。それが、社会保険料や住民税と所得税がどう関係するかなどを、はぐくみ企業年金さんの導入によって先生たちも知ることができたのは非常に良かった点です。実際に運営側が出している報酬と、手取りを見て「あれ、こんなに少ないの?」というギャップが埋められたことは、当初期待していなかった、本当に副産物的なメリットですね。
あとは「はぐくみ企業年金を導入している」ことで福利厚生もしっかりしている法人だという印象を与えるようなので、今後は採用などにも良い影響があるのではと期待しています。
今後取り組みたいことや課題、法人としての展望を教えてください
少子化が進んでいますので、幼児教育や保育を軸とした領域の拡大を考えています。たとえば子育て支援の充実ですとか、あるいは学校になじみづらい子どもたちの居場所づくりなども検討しています。それから、幼稚園や保育園という単機能の施設ではなく、地域の方々とも交流できるような、子どもを真ん中にして大きく開いたコミュニティ施設にしたいというのが、目標のひとつでもあります。
そのためにもより多くの職員が必要になります。だからこそ福利厚生の充実は重要だと思っています。いずれにしてもあまり背伸びはしすぎず、少しずつ進んでいきたいです。
まとめ
前職は大企業にお勤めだったこともあり「退職金積立制度はあって当たり前」と思っていた理事長の渡辺さんですが、実際に中小企業では積立や退職金積立制度がないところも多いと知って驚いたそうです。
職員の将来の安定を第一に考え、「はぐくみ企業年金」の導入をはじめ福利厚生を整えるこ
とに力を入れた結果、高かった離職率の減少が実現できたと語ってくださいました。
ありがとうございました。