HUMAN CAPITAL
人的資本についての取り組み
人的資本に関する考え方及び取り組み
当社は、「ビジネスを通じて、子育て世代と子どもたちが希望を持てる社会をつくる」をミッションとし、「やさしい人がやさしいままでいられる世界へ」をビジョンとして掲げ、次の5つの行動規範をバリューとして設けております。
- Be Hungry!
―ひりひりするようなハングリーさをもって、社会課題を解決しよう - Speed Running.
―自分たちは挑戦者だ。グダグダしている暇はない - Focus on Issues.
―目を向けるべきは世の中だ。仲間内の世界に閉じこもって世界を変えられるか? - Make Money with Integrity.
―道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である。正しく稼ぎ続けるからこそ、世界をより良くしていける - “Thank you” makes Better Place better.
―「ありがとう」と言いあえる組織こそ最強で最高
また、「市井の人々の資産形成に貢献する」「中小企業とそこで働く人々にはぐくみ企業年金サービスを遍くお届けする」「従業員の物心両面の幸福追求」を当社の存在意義(パーパス)として掲げています。
人的資本経営戦略は、当社のサステナビリティ経営におけるマテリアリティ(重要課題)の実現を支える重要な戦略です。当社は、これらの理念とパーパスを踏まえ、サステナビリティに関する課題の中でも人的資本を最重要課題と認識し、以下の取り組みを実施しております 。
なお、文中の将来に関する事項は、2025年9月現在において当社が判断したものであります。
ガバナンス
当社は、人的資本戦略を推進するため、具体的な取り組みであるKPIの進捗状況や人事施策の効果・課題については取締役会及び経営会議において定期的に議論を行っています。
また、リスクの早期発見や対処のため、エンゲージメントサーベイなどを活用してモニタリングする体制を整備し、リスク・コンプライアンス委員会においてリスクの分析・対応について議論を行っております。あわせて、内部通報窓口を設置し、有効的に機能させることにより、ガバナンスの強化に努めています 。
人的資本戦略
当社は人的資本戦略の柱として、「①現場力の向上」「②パーパス浸透・使命感醸成」「③全員経営の実現」を掲げております。
現場力の向上
成長の源泉である施策実行力の強化、現場発の顧客価値創造・イノベーション支援を目指します。
パーパス浸透・使命感醸成
パーパスの社内浸透を通じて、社員一人ひとりの志レベルへの落とし込みを図り、倫理観(インテグリティ)を最優先した業務遂行の土台を整備します。
全員経営の実現
参加型資本主義の実践を通じて、社員が当社の主権者・オーナーとなり、さらなる現場力の向上とエンゲージメント向上を図ります 。
これら人的資本戦略を踏まえたうえでの人材育成方針、採用方針、社内環境整備方針は以下の通りです。
人材育成方針 | 当社では、企業の持続的成長の源泉を「現場の実行力」と捉え、その中核を担うのは人材であると考えております。 そこで、人材育成においては「顧客価値を創造する、現場主導型の人材」を育てることを基本方針とします。 |
採用方成 | 当社は、急成長を支える現場力の強化には、価値観・志の共有が不可欠と考え、理念への共感と変化に挑む姿勢を重視しております。 「パーパスに共鳴し、誠実に成果を出すことができる人材」を採用方針の中心に据えてまいります。 |
社内環境整備方針 | 人的資本の最大化には、人材がその能力を存分に発揮できる組織基盤の整備が必要不可欠であると考えております。 当社では、パーパスとエンゲージメントに支えられた「志と成果が両立できる環境の実現」を社内環境整備における基本方針とします。 |
リスク管理
当社は、2025年9月期において従業員数が約1.5倍に増加し、事業の成長とともに組織としても急成長してきました。機能別の各部署が巨大化し、業務が細分化していく中で、当社は以下の主要課題を認識し、その解決に取り組んでおります。
マネージャー層の育成強化
現場力の向上を牽引するマネージャー層の育成強化は、戦略実行力と組織マネジメント能力向上に向けた重要な課題です。
理念共感・挑戦人材獲得
急成長を支える現場力強化に不可欠な価値観・志の共有、変化に挑む姿勢を持つ 人材を継続的に獲得していくことが重要です。
知識・ノウハウ共有の促進
個々の社員の知恵やノウハウを社内で共有し、そのことが称賛される組織文化の醸成が課題となっています。
情報共有インフラの整備
知恵やノウハウ共有のインフラとなる情報セキュリティ・文書管理・業務マニュアルの整備についても課題と認識しております。
心理的安全性確保
緻密なコミュニケーションや丁寧な情報共有を担保する心理的安全性の確保もリスクとして挙げられます。
人的資本戦略フレームワーク

施策および指標
施策の実行
①マネージャー層育成・理念共感・挑戦人材獲得施策
- マネージャー層に対する重点的な育成投資により、戦略実行力と組織マネジメント力の強化を図ります。
- パーパス起点のリーダーシップ教育を通じ、使命感と倫理観を備えた次世代
- リーダーの計画的育成を推進します。
- OJTとOff-JTを融合し、現場起点の自律的な学習文化の醸成を進めることで、現場力を持続的に高める人材循環を実現します。
- 「パーパスに共鳴し、誠実に成果を出すことができる人材」を採用方針の中心に据え、理念への共感と変化に挑む姿勢を重視してまいります。
- 理念共感度を定量的に評価する選考フローの継続的改善を実施することにより、困難な社会課題の解決に向け、同じ志を持つ仲間を増やしていきたいと考えております。
②理念共感・挑戦人材獲得施策
- 属性にとらわれず、マネジメント資質・志向を持つ人材の採用を推進します。また、男性育休の取得等を推奨し、多角的・多様的な視点と高い挑戦心を持つ人材の採用拡大を目指します。
②情報共有インフラ・心理的安全性向上施策
- 「志と成果が両立できる環境」の実現を目指し、日頃のフィードバックの在り方を見直すためのフィードバック研修、従業員と社長との1on1、当社取締役と現場との意見交換会などの施策を実施・継続することにより、心理的安全性と倫理観(インテグリティ)を重視する組織文化の構築を目指します。
- 業務フローのマニュアル化と運用の周知徹底、ウィンランチ制度(ランチタイムに仕事ぶりや成果を称賛するイベント)やお客様/社内からの感謝の声を伝える専用チャットスペースなどの設置を行い、称賛する文化を醸成します。
指標
各指標について、2025年3月期実績は以下の通りです。
なお、KPI指標における「スコア」は、Atrae社が提供するエンゲージメント計測ツール「Wevox」の各指標を使用しております。
種別 | KPI指標 | 2025年3月期時点 実績 |
---|---|---|
人的資本戦略主要KPI | 全従業員エンゲージメントスコア | 78 |
マネージャーのエンゲージメントスコア | 76 | |
ミッション・ビジョンへの共感スコア (従業員サーベイによる理念理解・共感度) | 92 | |
施策実行・組織基盤醸成KPI | マネージャー研修受講率 | 100% |
1on1実施率 | 100% | |
ナレッジシェア会参加率 ※1 | 50.4% | |
新規入社者の半年以上定着率 ※2 | 96.2% | |
リスク管理KPI | 称賛への妥当性スコア | 81 |
発言・意見に対する承認スコア | 83 | |
離職率 ※3 | 6.4% | |
女性管理職比率 | 20.0% |
※1:社内外の講師による勉強会・情報共有会への参加社員の割合
※2:新規入社者のうち、入社から半年以上勤務している社員の割合
※3:前期末時点の社員数を基準に、該当期間で退職した社員の割合
なお、女性管理職比率、男性育児休業等取得率及び男女間賃金格差の2025年3月期における実績は以下の通りです。
種別 | KPI指標 | 2025年3月期時点 実績 | |
---|---|---|---|
D&I指標 | 女性管理職比率 ※ | 20.0% | |
男性育児休業等取得率 | 100% | ||
男女間賃金格差 | 全労働者 | 81.1% | |
正規雇用労働者 | 81.5% | ||
パート・有期労働者 | 135.0% |
※は、重複指標です。