はぐくみ企業年金導入法人レポート

2018.12.13

職員の皆さんに自信を持って勧めることができています

社会福祉法人森友会 なかよしの森保育園
小手川義光先生(園長)、中村麻優先生(保育士)
https://sinyukai.com/nakayosi/

2018年4月に福祉はぐくみ企業年金基金(以下はぐくみ企業年金)の発足にともない、ご加入いただいた社会福祉法人 森友会様の施設・なかよしの森保育園の小手川義光先生(園長)と中村麻優先生(保育士)にお話をお伺いしました。

社会福祉法人森友会様は2016年時点で確定給付企業年金制度を導入していましたが、はぐくみ企業年金に移換手続きを取りました。

――はぐくみ企業年金に加入してよかった点はどのようなことですか?

小手川園長
はぐくみ企業年金加入をきっかけに、生きていくうえで大切なお金の話を職員とじっくり話しができるようになったことがいちばんよかったと思います。保育所は職員のほとんどが女性の職場です。これからの時代は、女性が自立した人生をおくることができることが大切だと思っていますので、そのためには将来安心して暮らせるだけのお金を自分でしっかりと貯めていくことが必要です。基金への加入によって、税や社会保険料の負担が減り、かつしっかりと貯められる点で、職員の皆さんに自信を持って勧めることができています。

特に、この数年、保育士の処遇改善が急激に進んでいます。もしこの基金がなかったら、大幅に処遇が改善されたにもかかわらず、税金と社会保険料でかなりの額が消えていったのではないでしょうか。そう思うと、この制度のない法人に比べて当法人の職員はラッキーだったのでは、と思います。

また、職員が加入することで減少する法人負担の社会保険料を、毎年、職員の健康診断のオプションとして、乳がん、子宮がんの検診費用に充てることができるので、職員も喜んでいますし、保育士が不足する状況の中、保育士確保の面でアピールできたこともよかったと思っています。

――はぐくみ企業年金に対して、希望や改善してほしいことはありますか?

小手川園長
いちばんお願いしたいことは、安定した運営で、安心して預け続けることができることです。そのうえで、運用利率が少しでも上がれば、加入した職員が喜ぶと思います。

――職員の方から、何かコメントや感想は寄せられていますか?

小手川園長
制度発足当初は懐疑的でしたが、今では、制度のメリットをしっかりと自覚しているようです。ある職員は「自分は貯金をしてこなかったので、基金に加入することで貯金ができるようになってうれしいです。」と喜んでいました。

――手続き、事務処理等で困ったことや、煩雑だった点はあったでしょうか?

小手川園長
手続きは正直いって煩雑です。定期昇給が4月なので、年度初めのとても忙しいときに一人ひとりの支給額を算定し、社会保険料の標準報酬額に当てはめて、いくらの掛金をかければ社会保険料がいくら節約できるかをシミュレーションして、職員に説明し、掛金を決めてもらっています。これがいちばん大変ですが、職員のためですので頑張ってやっています。

――はぐくみ企業年金にどのようなことを期待されるでしょうか。

小手川園長
社会的な認知度を高めることです。職員が安心して入ることができるように、加入する団体、企業が増えてほしいですね。とても有利な仕組みなので、広がっていくとは思っています。

――その他、ご意見、ご感想などどのようなことでもお聞かせ願えますか?

小手川園長
現状、とても有利な制度ですが、今後国の政策で、今の仕組みが変わるというようなことがないように、各方面への働きかけも不断なく進め、制度の維持、発展に努めていってほしいと思います。あとは、毎年1回でいいので、基金の現状、運用などについてレポートをいただけるとありがたいですね。

続いて、中村先生にもお話をお聞きしました。中村先生は、なかよしの森で働き始めて4年目、20代前半の保育士先生です。

――はぐくみ企業年金を始める前に、お金を貯めるために具体的に何かしていましたか?

中村先生
特に何もしていなくて、毎月もらうお給料から、使わなかった分が残っていって、それが貯金、という感じです。

――はぐくみ企業年金について説明を受けたとき、どのように感じましたか。また、加入しようと決めた一番の理由はどんなことでしょうか?

中村先生
初めて聞いたときは、仕組みとか、やはりちょっとむずかしいな、と思いました。加入を決めたのは、園長先生に勧められたことがいちばん大きかったです。あとは、それまでのように、なんとなく残ったお金が貯金、というのでなく、きちんと貯められるのがいいな、と思ったので、始めることにしました。

小手川園長先生
職員に紹介するときに、「こうしなさい」ではなく、こういうものがありますよ、と言っていろいろ説明します。生命保険とか、他の選択肢なんかもあるよ、と伝えた上で、最終的に決めるのは自分だよ、というふうに話をしています。

――これまでに積み立ての金額は変更しましたか?

中村先生
はい、増やしました。今、実家で暮らしているので、出費がそんなに多くなくて、今のうちにたくさん貯められればいいなと思うので、割とまとまった額で増やしてきています。

――毎月の積み立てを負担に感じたりはしませんか?今月はちょっとキツいな~、と思ったりしたことはなかったですか?

中村先生
いえ、今までのところそんなに負担ではないです。積み立てる分があらかじめ引かれているので、振り込まれた額の中でやりくりしていて、負担ということはあまりなかったです。

――給与明細は毎月見ていますか?

中村先生
(即座に)はい、見ています。毎月の積み立て額を見て、貯金が貯まっているな、と確認して、手応えみたいなものを実感できるとうれしいです。

――貯まったお金はどのように使おうと考えていますか?

中村先生
う~ん・・・将来のために、とは思っているんですが・・・とくに具体的には(使い道は)決まってないです。

小手川園長
将来の安心材料ですよね、これから転職したり結婚したり、というときに、何もないというのではなく安心感があると思います。中村先生世代の人たちの時代に年金制度がどうなっているか、分からないですからね。はぐくみ企業年金は将来の年金制度を補うものでもありますからね。

――はぐくみ企業年金について、期待することや、もっとこうだったらな、と思うことはありますか?

中村先生
う~ん・・・確実な運用で、たくさん利息がついて貯金が増えたらうれしいです。

小手川園長
初めにお伝えしたとおり、はぐくみ企業年金の話の流れで、将来のお金の話、どういうときにどのくらい必要か、といったお金の話をざっくばらんに話題にしてきました。はぐくみ企業年金というきっかけがなかったら将来の生活設計の話はできなかったと思います。税金や社会保険料のしくみも含めて、深く話し合えています。みんなも真剣に考えて質問をしてきます。そういう意味で職員は健全な社会人になってくれていると思いますね。